●初期段階はほとんどが無症状
　「肺非結核性抗酸菌症」は、結核菌に似た非結核性抗酸菌（ＮＴＭ）が肺に感染して起こります。ＮＴＭは土や水などの自然環境に広く生息する菌で、浴室などから検出されることもあります。160種以上ある菌のうち40種類が感染症の原因となり、中でも「ＭＡＣ菌」と呼ばれる菌の感染が急増しています。初期は無症状のケースが多く、進行するに従って、せきやたん、発熱、倦怠（けんたい）感といった症状が現れます。通常は20～30年かけてゆっくり進行しますが、悪化すると呼吸不全を起こすおそれもあります。
 
●２週間以上せきが続いたら受診
　感染を予防するためには、土ぼこりを吸込まないように注意し、浴室を清潔に保つように心がけてください。原因のよく分からないせきが２週間以上続く場合は、風邪と決め付けずに受診しましょう。医療機関では、胸部レントゲン検査や血液検査、たんの中の菌を調べる検査などにより原因菌を調べる検査などにより原因菌を特定。複数の抗菌薬を使った治療が行われます。症状が治まっても、再発を防ぐために１～２年間は薬を飲み続ける必要があり、根気よく治療を続けることが大切です。



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