ご存知ですか？ピロリ菌のこと

●胃壁を傷つける細菌

　ピロリ菌は正式には「ヘリコバクター・ピロリ」という細菌です。幼児期に食べ物や飲み水から感染するといわれ、感染者は国内で６千万人にも上るそうです。一度感染すると強酸性の胃酸の中で生き続け、胃壁を傷つけます。感染者には高い確率で慢性胃炎が起こり、消化性潰瘍（胃・十二指腸潰瘍）の主な原因になると考えられています。放置すると胃がんに移行することもあるといわれ、高血糖、塩分過多、喫煙という要因が加わると危険性がより高くなります。

●１週間服薬するだけ

　胃潰瘍などを繰り返す場合はピロリ菌感染が疑われるので、早めの検査をおすすめします。呼気、血液などを調べる方法と内視鏡（胃カメラ）を使う方法があり、消化性潰瘍と診断されているか、検査で潰瘍の痕跡が見つかれば健康保険が適用されます。除菌は胃酸の分泌を抑える薬と抗生剤を１週間服用し、成功率は７～８割。除菌できなかった場合は違う薬で再除菌が行われます。除菌に成功すると病気のリスクは低下しますが、長年にわたって蓄積された胃のダメージが原因で症状が再発するケースもあるので、除菌後も定期的な検査が必要です。