他人事ではない化学物質過敏症

●身の回りにあるものが原因に

　柔軟剤や消臭スプレーなどの香り付き商品は、今や定番。しかし、こうした商品の香りを不快に感じる人や、含まれる成分によって「化学物質過敏症」に代表される健康被害を受けている人がいます。化学物質過敏症は、日常生活の中で化学物質が体内に蓄積され、コップの水があふれるように限界値を超えると発症します。このため、誰もが発症のリスクを持っているといえます。原因となるのは、化粧品や洗剤類、芳香剤など、大半が身の回りにあるものです。

●化学物質にできるだけ触れない

　症状は、頭痛や倦怠（けんたい）感、不眠、イライラ、吐き気、集中力の低下など多岐にわたります。一度発症すると、より微量の化学物質でも症状が現れます。治療には健康保険が適用されますが、特効薬はなく生活改善や対症療法が中心です。予防するためには、原因物質にできるだけ触れないこと。我慢できないときは早めにその場所から遠ざかりましょう。化学物質を含まない日用品の使用も検討してみてください。また、患者でない人も、香り付き柔軟剤の使用量を守るなど、香りの使い方に配慮することが大切です。