●「感染」と「発病」は違う
　肺結核は結核菌が肺に感染して増殖し、炎症や組織の破壊が起こる病気です。かつて日本でまん延していましたが、戦後は急速に減少して一時は「流行は終わった」といわれました。しかし、1990年代後半に患者数が増加。現在は「再興感染症」に分類されています。結核菌は空気感染、飛沫（ひまつ）感染によって体内に侵入しますが、多くの場合は免疫によって抑え込まれます。この状態を「感染」といい、他の人にうつる心配はありません。
 
●早めに医療機関を受診
　ところが、病気や薬、ストレスなどの影響で抵抗力が落ちると、結核菌が再び活動を始めて「発病」するおそれがあります。予防するためには、免疫力が低下しないように規則正しい生活を心がけましょう。せきやたん、微熱といった風邪に似た症状が現れ、症状が進んで菌が空気中に吐き出されるようになると周囲への感染が危ぶまれます。症状が２週間以上も続く、良くなったり悪くなったりを繰返すという場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。感染拡大のリスクを低減し、早く治すためには早期発見・早期治療が大切です。


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